そのチョコレートは、なんとなく気になるチョコレートだったのですが。
実際のところ、そこまで行く価値があるのだろうかと心配でした。
そこはジーンズ工場の跡地を工場にしていました。
ご主人のマークさんが日本人よりおどおどした感じでした。
愛想笑いの仕方が日本人のリズムなんです。海外では珍しい。こんな自信なさげなビジネスマンを見たことがなかったです。
「うちみたいな小さなとこに日本からきてくれて。もじもじ。」
でも、ほんとうにやさしい人です。
4年まえ会計士だった奥さんのミッシェルが始めたと。
ミッシェルをいかにも頼りにしてるという感じでした。
ええ?!
そこまで知らなかったのです。4年前までチョコを作ってなかったことを。
失敗かあ。
私はここはスルーだと思ったとき。チョコが出てきました。
・・・
ほんまに?ええ?
全部、全種類食べました。
味も細やか。仕事してる。
止まらなかった。ひとつひとつに意志があります。
こうしたい。こう作りたい。
まあ、このチョコのお母さんは根性あるわ。4年でかあ。
と思ったとき、ミッシェルがにこにこ現われました。
実際に3人の子供のお母さんで、子育て中でもあるそうです。
小さくかわいいこの人がこんなに気丈な人とは。
なにも喋らずとも。この人はきっとがんばったんだと思いました。
工場に入ったら、やっぱりでした。
ここは絞り機の機械もなかった。
手でひとつひとつチョコを絞ってるんです。
ナッツもお鍋でロースト。
よくよくがんばって作ったんですね。全部チョコに出ていて、私に伝わりました。
機械の硬い味がしない。
思わず私は「あなたのチョコレートが好きです。」って言いました。
そんなこと普段いいませんが。
「サンキュ。」とミッシェルはいったけど、私の感動は彼女は今でもしらないでしょう。
日本から来て、ちょっとチョコレートを食べた人間くらいに思ってると思います。
私の感動は宙に浮いたままです。
チョコレートで生きていくのはたいへんです。すぐに認められないし。
また、どこかでチョコレートを作って欲しいし、また会いたいです。このチョコレートに。
チョコは人が作っているんですね。
こんなにいい、名もなきチョコレート屋さんがまだまだあるから、もっともっと探したいなと思いました。
買えないチョコの説明をこんなに真剣に語ったら、だめでしたか?
実際食べられるチョコも、もりもりたくさんご紹介してますので、
ゆっくりご覧ください!